SOTOのシングルバーナー・アミカス-初心者におすすめの火気をレビュー! 

SOTOのシングルバーナー・アミカス-初心者におすすめの火気をレビュー! 

ソロキャンプでのメイン、焚き火や炭火でのサブに使われることが多いシングルバーナー。登山家渓流釣りでも使われる汎用性の高い火気であり、非常に多くのモデルが各社からラインナップされています。今回はその中でも初心者におすすめの、必要な性能をバランスよく備えたコストパフォーマンスの高いモデル、SOTOのアミカスをご紹介します。

SOTO アミカス 本体

SOTOのアミカスとは?

SOTO アミカス 本体 ガス缶
モデル名アミカス
価格5,280
火力2,600kcal/h
重量81g(本体のみ)
サイズ使用時:幅76mm×奥行き100mm×高さ86mm
収納時:幅40mm×奥行き43mm×高さ75mm

ガスバーナーからガソリンバーナーまで、ユーザーの使用目的に合わせて多種多様な火気をラインナップするアウトドアブランドのSOTO。シングルバーナーの中では最もコストパフォーマンスが高いモデルがアミカスです。ハイエンドモデルより性能は抑えているものの、SOTOならではの機能がふんだんに盛り込まれ、トータルバランスに優れたモデルになっています。

アミカスの魅力

魅力①:軽量コンパクト性

SOTO アミカス バーナーヘッド

アミカスは本体重量が81g、収納時サイズは40mm×43mm×75mmです。5,280円という価格で価格でこの重量とサイズは、他のブランドと比較して高い軽量コンパクト性を誇ります。アミカスが発売された当初、サイズと重量を見た後に価格を見て「こんなに安くて良いの?!」と驚き、安くて性能に不安でしたが、実際に使うとそれは無用であったと実感しました。

エントリーモデルのシングルバーナーは、ハイエンドモデルに比べて重量があり、かつシングルバーナーの魅力でありコンパクト性では、収納で場所を取ってしまうことがあります。

少人数の湯沸かしから簡単な調理であれば、この重量とサイズでもストレスなく十分な調理ができます。キャンプのみならず登山や渓流釣りでもアミカスが選ばれるのは「高い機能性を少ない容量で身軽に持ち運びたい」という考えにマッチしているからですね。

魅力②:高い耐風性

SOTO アミカス すり鉢状

外のバーナーヘッドは風の遮るすり鉢状になっています。ハイエンドモデルのウィンドマスターと同様の機能を備えており、多少の風であれば火力を落とすことなく調理ができます。森の中のオートサイトを始め、強い風が吹かない場所であれば、風防を別で用意する必要はないです。

SOTO アミカス 火口

すり鉢状のヘッドの他、無数に開いた火口も高い耐風性を確保している理由です。火足が短いため、風が吹いてもすぐに火力を戻してくれます。

キャンプや沢登り、登山でアミカスをよく使っていますが、渓谷で吹き上げる風や真冬の強風にも耐えてくれており、標高2,500m前後で風の吹く山頂でも使いましたが問題なく、小さなボディが頼もしく見えました。

この形状と火口がSOTOの多くのモデルに採用されている理由が頷け、同構造の分離型、ガソリン、シングルバーナーと、火気はほとんどSOTO製を使ってきました。

魅力③:内蔵のイグナイター

SOTO アミカス イグナイター

多くのシングルバーナーにはイグナイターが付いており、着火にライターやマッチなどを必要としません。イグナイターが不調になった時のためにライターやメタルマッチなどを用意していますが、アミカスではそういったトラブルに見舞われたことはありません。

他のシングルバーナーのイグナイターと比べて特筆しているのが、アミカスのイグナイターは電気回路を本体に内蔵することで、耐衝撃性と着火性能を高めています。

私は使い方が荒く、他のメーカーのシングルバーナーのイグナイターをすぐに不調にさせてしまい使い方を改めなくてはと思いつつも「火が付いたらラッキー」といつも開き直っていました。アミカスはそんな不器用な私が使っても全く壊れることなく、スイッチを押せばしっかり火花が飛び、着火してくれます。使っていれば不調になりやすい部品でもあるので、ここの耐久性を高めてくれているのは、ユーザーとして非常に嬉しいポイントです。

とはいえ、標高の高い場所や低温下では火花が飛ばないことがよくあるので、ライターやメタルマッチは常備しておくのが良いです。

魅力④:繊細な火力調整が可能なつまみ

SOTO アミカス 火力調整

バーナーの火力調整は、主にダイヤル式かアミカスの様なタイプの形状のつまみを使用して行います。私はアミカスのつまみが非常に扱いやすく、調理でとても重宝しています。

炊飯や煮物など火力調整が結果に大きく左右される調理方法で、安定して火力を保つガスバーナーはその真価を発揮します。火加減を調整するつまみは私にとってはとても重要で、微妙な感覚で操作することもあるため、ダイヤル式で扱いづらいことがありましたが、アミカスのつまみは調整がしやすく、求めている火加減を出しやすいです。

アミカスの使い方

少人数での調理

SOTO アミカス 調理器具

アミカスはサイズとガス缶にダイレクトに繋がる直結型という特徴も相まって、少人数での調理に適しています。

基本的には炒めものから煮炊き、揚げ物など何でもこなすことが出来ますが、4人以上の調理を一度に行おうとすると、鍋が安定しなかったり、鍋底が広いと十分に火が行き渡らなかったりします。

調理器具

SOTO アミカス コッヘル

主にアルミ、ステンレス、チタン製といった、軽量な調理器具との相性が良いです。バーナーヘッド自体の負担が少ないほうが調理もしやすく火の回りも早いので、燃料を無駄にすることなく、アミカスの火力でもストレスなく調理を楽しめます。

反面、鉄製といった調理器具では重たく加熱に時間がかかるため、アミカスでは力不足と感じてしまいます。鉄製は焚火で楽しみながら、サブの火気としてアミカスを使うのが良いですね。

低温下での使用

冬山の眺望

アミカスを始めとしたシングルバーナーは真冬の低温下では十分な火力を発揮しないことがあります。使用するガスの配合であったりバーナー本体の性能によるものですが、アミカスも例外ではありません。

低温下でも使用する場合は、ガス缶の温度が下がらないように配慮すると良いです。地面に直接置いたり、冬の雪面に置くとより火力が下がるので、テーブルの上に置いたりプロテクターを付けるなどで対策できます。

それでも改善せず、氷点下を下回る様な厳し気温下でも気にせず使いたい場合は、上位モデルのウィンドマスターなど、低温下でも使用可能なマイクロレギュレーターを搭載したモデルを使うのが良いです。

SOTOのアミカスで楽しいキャンプ飯を!

SOTO アミカス

アミカスは直結型のシングルバーナーで、トータルバランスに優れたコストパフォーマンスに優れたモデルです。

軽量コンパクトな本体、内蔵型のイグナイターなど、ユーザーがストレスなく使用できるよう配慮された機能の他、すり鉢状のヘッドと無数の火口は、自然という過酷な環境でも対応できるよう設計され、シングルバーナーに求められる性能が集約されています。

初心者におすすめのアミカスですが、その基本性能の高さから、エントリーユーザーからベテランまで勧めたいモデルです。低温下やより本格的な調理には対応できませんが、アミカスがその真価を発揮できるポイントを知れば知るほど、これ一択しか無いと言える道具であり、ラテン語で「朋友」を意味するその名の通り、ユーザーの友として寄り添い続ける心強いアウトドアギアです。

SOTOのアミカスで、快適なアウトドア飯を楽しんでくださいね。