SOTO フュージョントレック 大人気の分離型ストーブをレビュー!

SOTO フュージョントレック 大人気の分離型ストーブをレビュー!

発売から人気で品薄の状態が続いている分離型ストーブ、SOTOのフュージョントレック。OD缶を使用した分離型ストーブに革命を起こしたモデルの魅力をレビューします。

分離型ストーブとは

燃料が入った缶と本体が文字通り分離し、燃料をホースを経由して本体に送り、燃焼させるのが分離型ストーブです。燃料に本体が直結された直結型ストーブと比べて五徳を設置させて使用できるというメリットがあり、安定して調理ができます。また本体が直結型より大きく設計しているモデルが多く、複数人向けの鍋も使うことが可能です。

フュージョントレックとは

低温下や連続使用でも安定した火力を発揮するマイクロレギュレーターを搭載した、OD缶対応の分離型ストーブです。同レギュレーター搭載でカセットボンベ(CB缶)対応モデル、フュージョンに続いて発売されたフュージョントレックとは、その安定した火力のみならず、しなやかな燃料ホースによりストレス無く、抜群の使用感を誇り、耐風性に優れたバーナーヘッド、分離型ストーブの中でもトップクラスの軽量性を持つ、他の追随を許さない完成度の高い火器です。

発売から1年以上が経過していますがその需要は衰えること無く、品薄の状態が続いており、非常に人気の高いモデルです。

フュージョントレックの魅力

非常に高い基本性能と革新的な機能を持っているフュージョントレック。使ってみて実感する魅力をご紹介します。

魅力①:しなやかな燃料ホース

私が最も衝撃を受けたのが、このしなやかな燃料ホースです。

これまで他メーカーの分離型ストーブを使用していましたが、分離型ストーブの特徴である使用時の安定性はあったものの、燃料ホースが硬く、使用するまでの設置に時間をかけていました。コツを掴めばそれほど苦でもないですが、それでも面倒な事に変わりはなく、いつしか分離型ストーブの出番は減り、多少無理をしても直結型のストーブを使ったりしていました。

フュージョントレックは非常に柔らかく、しなやかな燃料ホースによって設置作業に全くストレスがかかりません。火力、耐風性、重量など、バーナーを選ぶ際に様々な要素がありますが、分離型ストーブではこの燃料ホースが最重要ポイントでした。「やっぱり分離型が欲しいな」と雑誌でフュージョントレックの発売を目にし、発売延期などの時期を越え、待ちに待った販売開始。店頭で手に取った瞬間、このホースが決め手となり購入を即決しました。

魅力②:マイクロレギュレーター搭載

SOTOが他メーカーと圧倒的な差別化が図られているのが、このマイクロレギュレーターです。

キャンプでは「薪」「炭」「ガス」「ガソリン」「アルコール」「灯油」といった燃料が使われます。どれも一長一短がありますが、充填されたガスをバーナー本体に接続すれば直ぐに使用でき、強火から弱火までの火力調整も可能という高い利点を持つのがガス燃料です。

ガス燃料は大きな長所を持ちますが、その反面「低温下では十分な火力が得られない」という課題を持っています。カセットボンベでは氷点下の使用が難しく、低温下に対応するには低温時専用のガスを混合したガス缶を使ったり、ガス缶を保温したりなど、何かしらの対策が必要でした。

マイクロレギュレーターはそうした煩わしさと、ガス燃料の課題を解決する画期的な機能で、フュージョントレックに搭載されています。これまで冬の分離型ストーブといえば、低温時に強いガソリン燃料のものを使っていましたが、フュージョントレックがあれば、通年の使用も問題ありません。

また燃料缶はOD缶を使用することにより、後述のフュージョンと比較して対応範囲が広く、通年の使用のみならず、キャンプ以外の過酷な環境でも対応できる優れた安定性を実現しています。

魅力③:重量

フュージョントレックの本体重量は182gと、各社の分離型ストーブと比較しても軽量です。

キャンプで使用する道具は快適性や対応人数を考慮すると、どうしても大型で重たくなってしまいます。荷物の少ないソロキャンプでも同様で、少しでも重量を軽くして移動時のストレスを減らします。

小型の調理器具で調理したり手の込んだものを作らない時は直結型でも問題ありませんが、安全に、かつ幅広い調理に対応したい場合はやはり分離型に分があり、持ち込む際も軽くて負担にならないフュージョントレックは、キャンパーの強い味方になります。

魅力④:耐風性の高いバーナーヘッド

炎口が300個と無数に分かれ、すり鉢状になっているバーナーヘッドにより、高い耐風性を獲得しています。体が持っていかれそうな強風に対応はさすがにできませんが、多少の風であれば火力を落とすこと無く調理が可能です。

渓谷沿いや木々の少ない場所は風の流れがあり、それを遮る自然物が少ないので、本体に耐風性能のある火器があることが望ましいです。ウィンドスクリーンを用意するといった荷物を減らせる利点もあります。

フュージョンとの違い

フュージョンより先に発売されたカセットガス対応モデルのフュージョン。マイクロレギュレーター搭載でしなやかな燃料ホースを持ったりと、その特徴はフュージョントレックと同様です。

フュージョントレックとの大きな違いは、燃料缶と点火装置の有無です。重量など細かい違いはありますが、登山を始めとしたより過酷な環境下での使用を想定されたフュージョントレックは、高所や冬の低温下でも安定した火力を発揮できるOD缶を使用しています。

フュージョンは同じく低温下でも対応できる性能を持っていますが、燃料の違いにより対応できる範囲が異なります。キャンプでの通年使用には問題なく、点火装置も付いているので備える機能は充実しています。

2つのモデルのどちらを選ぼうか悩む時は「キャンプで使うか」「キャンプ以外でも使うか」で考えてみると良いです。

使用時に気をつける事

ライターを用意する

フュージョントレックは点火に必要なイグナイターが本体に装備されていないので、別途ライターやファイヤースターターが必要です。

ライターがあれば問題ありませんが、定期的に交換をしておかないと「点かない・・」という、想像したくないトラブルが発生します。私はライターの他にファイヤースターターを持っておき、雨でライターが濡れたり万が一点火しない時の予備として備えています。

ヒートエクスチェンジャー付きは非対応

熱効率を格段に上げて短時間で加熱できるクッカーがありますが、フュージョントレックは対応していません。

テント内で使用すると一酸化炭素を充満させる恐れがあるため推奨されないガスバーナーですが、ヒートエクスチェンジャー非対応のガスバーナーを使用すると、多量の一酸化炭素を発生させてしまうので、使用は厳禁で、それで起きた酸欠の事例もあります。基本的には屋外であってもフュージョントレックでヒートエクスチェンジャーのクッカーは使用しないようにします。

フュージョントレックで楽しいキャンプ飯を!

フュージョントレックは軽量コンパクト性、低温下でも使用でき、しなやかな燃料ホースによるストレスフリーな使用感など、これまでの分離型ストーブにない革命的な性能を持つ火器です。その性能はキャンプ、登山などのアウトドアシーンで1年を通して活躍してくれます。是非フュージョントレックで美味しいキャンプ飯を作ってみてください。