雰囲気と香りが抜群!パーコレーターをレビュー!

雰囲気と香りが抜群!パーコレーターをレビュー!
キャンプ パーコレーター 本体

キャンプで使う道具は常に新しいモノが生まれ、時代に合わせてアップデートがされています。野営で今や欠かせないコーヒーも時代に合わせて多様なアイテムが展開されていますが、今でも変わらぬ形と魅力を現在に伝えるパーコレーターは、根強いファンに愛される銘品です。今回はパーコレーターの魅力をご紹介します。

パーコレーターとは?

キャンプ パーコレーター 焚火

コーヒー器具のひとつで、一般的なフィルターを使ったドリッパーやサイフォンなどと同じく、コーヒーを抽出するために用いられます。その歴史は古く、190年以上前にフランスで生まれ、それからアメリカなどで普及し、現在のインスタントコーヒーに近い位置づけにあったようです。

水を加熱した際の圧力を利用して、バスケットに入れたコーヒー豆にお湯を降りかけ続けることで抽出し、蓋について透明のつまみからコーヒー液の色を見て仕上がりを調整します。

頑丈な作りと手軽さが魅力のパーコレーターですが、技術の発展とともに衰退し、今はコーヒー抽出器具としてはマイナーとなり、見かけることも少なくなりました。

しかし、特徴的な抽出と吹き出る香りは独自の魅力を放ち、現在も愛好家やアウトドアの世界で使われています。

パーコレーターの魅力

魅力①:抽出方法

キャンプ パーコレーター 蓋

私が初めてパーコレーターの魅力を感じたのは、小栗旬さん主演の映画「岳」の冒頭シーンでした。コポコポと音を立ててコーヒーが抽出され、冬山の絶景とともに「アッツ!」と言いながら淹れたてのコーヒーを飲む小栗旬さん演じる島崎三歩の姿に、一瞬で魅了されました。そのシーンを見るために、普段映画を見ないのに5回、地元の映画館に足を運びました。

加熱による圧力を利用するという点ではサイフォンと似ていますが、小さなつまみから音を立てて色が変わっていくのを眺めるのは、なんとも言えない幸福な時間です。

魅力②:香り

キャンプ パーコレーター 加熱

抽出しながら加熱を続けるパーコレーター。コーヒーはもちろん味が大切ですが、パーコレーターはコップに注ぐ前である加熱中の香りが大きな魅力です。絶えず吹き出る湯気により、周辺をコーヒーの香りで包み込み、キャンプ以外の家庭で使えば、家のどこにいても感じられるほど。

一般的なドリップでも香りはもちろん楽しめますが、沸騰した湯気が持つ温かさを含んだ香りはパーコレーターならではで、重厚さを感じさせます。ずっと嗅いでいたいと思うあまり、火を止めるタイミングが遅れてしまうこともありました。時々、登山でもパーコレーターを持ち出して登っていて「わざわざ山に?」と思われることもありますが、香りを楽しみながら過ごす山頂タイムは格別です。

魅力③:完成された形状

キャンプ パーコレーター 本体

個人的に感じている魅力ですが、野外や安定しない場所でも加熱できるフラットな底面、大容量で抽出したコーヒー液を短時間で淹れられる注ぎ口、熱に耐えられる樹脂製のつまみ、スラッと高さのある本体。どれも効率良く抽出するために時間をかけて作られた構造で、高い完成度と機能性は、華美な装飾では決して表現できない芸術であり、使い込まれていけばいくほど、その美しさは光を増していきます。

私が愛用しているのは、今は絶版しているミロのパーコレーター。先述の映画「岳」でも使用されていたモデルで、細長いシルエットは見ているだけでウットリします。

魅力④:風味

キャンプ パーコレーター カップ

パーコレーターで抽出されたコーヒーは、豆の油分を含み、スッキリした味わいが特徴です。抽出時間によって濃度は変わってきますが、加熱時間が長いことによる風味の劣化を防ぐことを考えると、重厚感のない軽めの味わいで、アメリカンコーヒーのような仕上がりになります。

一般的に味の調整が難しく安定した仕上がりにならないので、実は扱いづらい一面を持つパーコレーターですが、キャンプで淹れるからこそ、そんな扱いづらさやアバウトな味わいも楽しめます。

抽出方法

お湯を本体に入れて加熱する

キャンプ パーコレーター 加熱

まず、内部の部品を外して規定量の水を入れて加熱します。ペーパーやネルドリップなどでは湯温によって仕上がりが変わってきますが、沸騰させて抽出するパーコレーターでは、温度を気にする必要はありません。

バスケットにコーヒー豆を入れて加熱する

キャンプ パーコレーター バスケット

バスケットに粗挽きのコーヒー豆を投入し、本体にバスケットを入れて加熱します。抽出時間は概ね5分以下ですが、つまみから見えるコーヒーの濃度を見て判断します。初めて抽出するときは「この濃度でどれ位濃いの?」と分かりづらいですが、繰り返し抽出を経験するうちに把握できるようになってきます。

火から外し、完成

キャンプ パーコレーター 注ぐ

パーコレーターは熱々のコーヒーを楽しめるので、自然の景色を満喫しながら独特の風味を堪能してください。コーヒー表面に見えるのはコーヒーオイルで、香りがあり口当たりを柔らかくしてくれる特徴があり、このオイルが含まれているのがパーコレーターならではです。

パーコレーターの注意点

再加熱は禁物

キャンプ パーコレーター 加熱

再加熱をするとコーヒーの酸化が進み、風味が落ちてきます。再加熱で器具が破損することはありませんが、出来れば美味しい状態を維持しておきたいので、再加熱は控えます。

また、パーコレーターは大容量のモデルが多いので、満水で入れると飲みきれないか、再加熱されて味が落ちた状態で飲み続けることになるので、必要量を入れておくのが良いです。

一緒に揃えたいおすすめアイテム

コーヒーミル

キャンプ コーヒーミル

既に粉にした状態で持ち込むのも良いですが、豆は挽きたての方が風味を損なう事無く最高の状態で抽出することができます。

アウトドアで家庭用のコーヒーミルを持ち込むのは、荷物がかさばり傷がついたりするので、アウトドア用の小型で丸みがあるモデルを持っていくのがおすすめです。

私は長年、ポーレックスのコーヒーミルを使っています。外はステンレス製ですが、内部のプラスチック製のミルは、挽いた際に熱を豆に与えにくい特徴があります。細挽きから粗挽きまで対応できるので、パーコレーターにも対応できます。

カップ

キャンプ パーコレーター カップ

コーヒーを飲む際、口当たりや温度感、手に取った時の感触などで、味の印象が大きく変わります。エスプレッソ、アメリカン、カフェオレなど、仕上がりでカップの形状、素材を変えることでベストな状態で飲むことができます。

パーコレーターで抽出したコーヒーをキャンプで飲むことを考えると、容量があって保温性のある飲みやすいものがおすすめですが、好きな柄や普段使っているお気に入りのもの、アウトドアで使う特別なカップなど、好みに合わせて持っていくのが良いですね。

私はスノーピークの雪峰を愛用しています。デザインと手に取った感触が好きなのが一番の理由ですが、ダブルウォールで保温性があり、取っ手がないのでスタッキングもしやすいです。

パーコレーターでキャンプコーヒーを楽しもう!

キャンプ パーコレーター

パーコレーターは独特の抽出方法でコーヒーを楽しめる、キャンプ向けのコーヒー器具です。沸騰しながら音を立て、沸き出るコーヒーならではの香りは、パーコレーターならではの魅力であり、キャンプでのくつろぎを演出してくれます。飲みやすく口当たりの良い味は、西部開拓時代のアメリカを思わせるもので、本格的なコーヒーには及びませんが、キャンプで飲むからこそ際立つ風味は、一度使ったら病みつきになること間違いなしです。

パーコレーターを使って、キャンプでのんびりした時間をぜひお楽しみください。