灯油(ケロシン)ランタンの点火手順を細かく解説します 【ヴィンテージランタン】
「灯油ランタン(ケロシンランタン)を買ってみたけれど、点火方法が分からない。」
初めて灯油ランタンを買う方はどうやって点火をすればいいか分かりませんよね。
今回は、イギリスのメーカー、ティリーというメーカーのランタンをモデルに灯油ランタンの点火手順を解説していきます。
一つずつ、詳しくみていくので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
そもそもランタンにはいろんな種類がある
今回ご紹介するのは、灯油を燃料とするランタンですが、他にも色々な種類のランタンが存在します。
ここでは、それぞれの燃料の特徴について解説していきます。
LED
LEDランタンとはLED電球を用いたランタンで、乾電池式や充電式があります。
メリットとしては、ガスや灯油に比べると安く、点灯時間も長いです。
また通常、多くのテントメーカーでは一酸化炭素中毒などの影響からテント内でのランタンの使用はよろしくないとされていますが、LEDではその心配はいりません。
ガス
ガスは、一般的なカセットガスではなく、OD缶と呼ばれる太い円柱型のガス管を用いるランタンです。
燃料自体、バーナーやストーブでも使えるので燃料を一括でまとめられるメリットがあります。
また、LEDと違って光量も多いのも特徴です。
灯油・ガソリン
この燃料で特徴的なのは燃料に圧力をかけるポンピングという作業が発生する点。
つけるのに時間がかかりますが、つけてしまえば燃料のコストの割に点灯時間が長く、コストを節約できるメリットがあります。
光量はガスランタンと同じくらいですが、ガスランタンと比べて寒さに強いのが灯油ランタンの特徴です。
灯油ランタンの部品紹介
灯油ランタンの点火方法を見ていく前に、ランタンの各部品の名称と働きについて解説していきます。
細かい部品も多いので、全部は紹介できませんが、これからの点火手順の中で出てくるものを紹介しますので、これらは最低覚えておくようにしましょう。
ベンチレーター
ランタンの上部を保護する部品。熱を逃がすための機能も果たしています。ランタン点灯中は熱くなるので注意しましょう。
グローブ、ベイル、フレーム
これらはランタンのマントルを保護する働きがあります。簡単に説明すると、グローブは保護ガラス、フレームは金属枠で、点灯部を保護しています。
ベイルは取っ手のことで、ランタンを点灯していても熱くならず、持つことができます。
ポンププランジャー兼フィラーキャップ
ポンププランジャーはタンク内の液体燃料に圧力をかける部品です。
圧力をかけると、液体燃料はランタン中央のヴァポライザーという部品の中へと押し上がっていきます。
また、タンクのキャップも兼ねているのでフィラーキャップ(燃料の注ぎ口)としても機能します。
※豆知識…他のランタンは燃料の注ぎ口とポンププランジャーは別でついています
ポンププランジャーで圧力をかける際は圧力が逃げないようにしっかり締めておきましょう。
タンク
燃料を入れるタンク。自立して、ランタンを支える働きも持ちます。
ヴァポライザー(orジェネレーター)
タンク内で圧力がかかると液体燃料がヴァポライザー内に押し上がってきます。
ここで、プレヒートカップという部品にて予熱がされているとヴァポライザー内で液体燃料が気化し、ヴァポライザー上部からマントルへと噴出します。
プレヒートカップ
ポンピングした際に灯油が気化しやすいようにヴァポライザーをプレヒート(予熱)しておくためのカップで、プレヒートカップに入れる燃料は灯油ではなく、アルコールを用いることに注意しましょう。
マントル
火をつけると光り輝く発光体になる特殊な合成繊維。色々な種類があり、ランタンの種類や用途によって使い分けます。
灯油ランタンの点火手順①灯油を入れる
この見出しから、ようやく灯油ランタンの点火方法について解説していきます。
※灯油ランタンといってもいろんな種類があるので、あくまでも灯油ランタンのうちの一つの点灯方法であることをご了承ください。
まず始めに、ランタンに灯油を入れていきます。燃料バルブを開け、灯油を入れていきますが、灯油はタンクの8割ぐらいまでしか入れてはいけません。
なぜなら、灯油ランタンは空気と燃料を混合しながら燃焼する仕組みとなっているので、ある程度空気を残しておかないとうまく点火できないからです。
具体的な割合は8:2。ただ、外からではタンクに入っている量がわからないので、そんな時はフューエルファネルを用いましょう。
フューエルファネルはタンクに差し込むと先端部が燃料の量を感知し、自然と満タンにならない位置で止めてくれる道具です。
あくまで、燃料を注ぐときはゆっくり少しずつ。でないと、フューエルファネルはうまく機能しません。
アウトドアショップでも、1000円以内でも買えるので、灯油ランタンを購入したら必ずセットで持っておきましょう。
灯油ランタンの点火手順②マントルをつける(両切り型)
オイルを入れたら、次は、マントルをつけましょう。
マントルには、袋状のものと両切り(貫通型)のマントルがあります。
このランタンの場合、マントルを取り付ける位置が真ん中に位置しているので両切りのマントルを購入しましょう。
※灯油の吹き出し口が蛇口のように垂れ下がっているものは袋状のマントル、それ以外は両切り型と覚えておきましょう。
マントルの結び方は、ベンチレーターを逆さにして上のくぼみ部分につけます。くぼみ部分で結んだら、余った紐部分は邪魔なので、ハサミで切りましょう。
上のくぼみ部分につけたら、マントルをひっくり返すようにして、下のくぼみ部分につけ、マントルの装着は完了です。
※袋状の場合、片方からしか取り付けないため、袋状のマントルの方が取り付けやすいです。
灯油ランタンの点火手順③プレヒート(予熱)する
マントルを装着したら、ポンププランジャーを緩め、燃料バルブも開けましょう。(左回し)
そうしましたら次はプレヒートです。プレヒートとはヴァポライザーを温めて、タンクから上昇してきた灯油を気化させるための前準備のことです。
これを行なっておくことで、のちにポンピングした時に、熱で灯油が気化し、ガス状になってヴァポライザー上部から噴出します。
ここで注意したいのが、プレヒートを行う際、プレヒートカップには燃料用のアルコールを用いること。
灯油では燃えすぎますので、絶対に薬局などで手に入る燃料用のアルコールを用いましょう。
また、灯油は一般的に250度くらいから気化すると言われております。
しかし、実際はそんな250度なんて温度を測れない上に、季節によって温度の上がりやすさも変わってきますので、適切な温度でプレヒートを終えるのは難しいです。
ですから、プレヒートはプレヒートカップを満タンにして、燃え尽きるまでを1回とすれば、夏は2回、冬は4回プレヒートをするようにしましょう。
また、夏は2回目、冬は4回目のプレヒート中にポンピングに移りますので、最後のプレヒートは気を抜かないようにしましょう。
灯油ランタンの点火手順④ポンピングする
最後のプレヒートが完了する前に、ポンププランジャーをしっかりと閉め、次はポンピングです。
プレヒート中にポンピングする理由は、ヴァポライザーが熱い間にポンピングすることで、灯油をより気化させやすくするためです。
この時、閉めるのは、ポンププランジャーのみで、燃料バルブは閉めなくてオーケーです。
10回ほどポンピングをして、マントルがキラキラ光り出したら、もう目前です。マントルの光が安定するまでポンピングし続けてください。(目安は30回ほど)
ポンピングしなくてもマントルの光が安定したら点灯完了です。
※プレヒート中にポンピングをすると炎上する方が稀に見えますが、その場合は、プレヒート不足だと思われます。そうしましたら、ポンププランジャーを開け、またプレヒートの段階から開始して下さい。
灯油ランタンの消灯方法
最後に、灯油ランタンの消灯方法についてご紹介します。ランタンの灯りを消すには、ポンププランジャーを緩めます(左回り)。
そうすると、圧力が抜けるため、今まで押し上げられていた灯油がタンク内に押し戻され、自然と消灯していきます。
また、消灯後、タンクが冷えたら燃料バルブを閉めて終了です。
灯油ランタン点灯方法まとめ
いかがでしたでしょうか。しっかりと手順を踏めば、ケロシンランタンはガソリンを用いたランタンよりも安全に点火することができます。
また、しっかりと丁寧に手順を踏むことで、ランタンに負荷がかかることもなく、長く使用することもできます。
自分でつけた時の表現できない達成感は今でも忘れられません。あなたがこの記事を参考にして初点火できることを祈っています。
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