できると楽しい!焚き火の着火と楽しみ方をレポート!

できると楽しい!焚き火の着火と楽しみ方をレポート!
夜の暗闇を照らす炎

キャンプはこれをするために来ている!と言っても過言ではないのが「焚き火」です。ゆらめく炎を見つめながら過ぎていく時間は他には代え難いものですが「どうやって火を点けるの?」「薪はいつ入れたら良い?」など、始めはハードルが高いもの。今回は、焚き火の着火と楽しみ方をご紹介します。

焚き火とは?

焚き火は楽しむだけでなく、山での生きる上でも欠かせない

自然界にある木や枝から火を熾し、燃やすことを焚き火と呼んでいます。焚き火はその行為自体はとてもシンプルですが、用途に適した薪の選別、薪の配置で変わる燃焼時間など「調理用の焚き火」「キャンプファイヤー向けの焚き火」など、知れば知るほど奥が深く、一度ハマれば抜け出せなくなる楽しさを秘めているのが、焚き火なのです。

焚き火の魅力

焚き火の魅力①:炎

焚き火を見ながら過ごす時間はとても贅沢

これを見ているだけでキャンプに来る目的を達成したといえるのが、焚き火で作られる炎です。

私は大きな炎で夜を照らす焚き火より、自分の周りを照らす程度の静かな炎が好きで、その炎を見ながら飲むコーヒーは、時間を忘れ、朝が訪れるのが惜しいほどの至福の時だと感じます。

ガスが生活に普及し、オール電化で火を見る機会も減ってきた(無くなった)時代では、自然物から発せられる炎は、なんとも心地良く、見るのは初めてなのになんだか落ち着く不思議なものです。

焚き火の魅力②:達成感

焚き火で初めて火が熾せた時「やった!」という達成感とこれまで感じたことのない程安堵したことを覚えています。

最近はライターより火力のあるガストーチやすぐに着火できる燃料が普及されていますが、木の皮やまつぼっくりなど、着火しやすい自然物を探し、よく乾燥された木を切り分けるなど、出来る限り自分の力でやろうとすると、けっこう大変です。

でも、それをやり切って作り上げた焚き火は、もはや作品と呼ぶに相応しい出来栄え(に見えるほどの苦労)です。この達成感はなかなか味わえるものではないです。

焚き火の魅力③:何もしない時間

陽が落ちて何もすることがなくなる。それが良い

焚き火をしている間、薪をくべる事はあるものの、することは何もなく時が過ぎていきます。その時間こそが、焚き火の醍醐味です。

仲間と語ったり、炎を見つめ薪をくべる、本を読む、炎の前で眠るなどなど。街の中は常に「すること」に溢れていますが、「モノ」が無い自然界ですることなど多くはありません。

焚き火はそんな「何もしなくて良い時間」をくれる、唯一無二の存在です。

焚き火の魅力④:焚き火の匂い

「焚き火くさい!」と、キャンプや登山終わりに家族によく言われるのですが、私はこの匂いが大好きです。

焚き火で使った鍋を日常生活(または仕事場)で使うと、焚き火の匂いがあたりに広がる瞬間、目をつぶれば「山に来た」と錯覚します。この匂いが苦手という人もいますし、大半の人は匂いが移らないように対策したりしますが、特に気にすることなく焚き火をしています。

テント、リュック、調理器具など、今ではどの道具にもどこか焚き火臭が残っていますが、この匂いは私にとって自然と自分を繋ぐ大切な証であり、思い出でもあります。

焚き火のやり方

焚き火のやりかた①:薪を見つけ、分ける

切り分けた薪。使う薪の量は経験で学ぶ

薪はキャンプ場やホームセンター、アウトドアショップで販売されていますが、今回は自然界から燃料となる薪を調達します。

薪は太さ数ミリ程度の小さな枝(着火用)、数センチ程度の枝(燃焼用)、数十センチの太いもの(長時間持続用)と、おおよそ3種類程度に分けて集めます。

薪を選ぶ際は、生えている木から取ることはせず、折れていたり枯れて朽ちている木から選びます。なるべく乾燥しているものを選ぶのがコツで、折る時に簡単に「ポキッ」と折れるものが最適です。

一番太い薪は朽ちた木を回収してきますが、回収して野営地まで運ぶ際に重く、そのまま使うと長くて使えないので、私は剪定用のノコギリを持っていき、現地で切り分けています。この作業が最も面倒ですが、ここで手間を惜しまずにやれば、焚き火が楽しく快適なものになります。

焚き火のやりかた②:薪を配置し、着火する

着火剤を投入し、着火。この瞬間がとてもワクワクする

薪が揃ったら、次は薪を配置し、着火します。
薪を燃やす地面はなるべく湿っていない場所を選んでおくと良いです。湿っている場合は、下に太い薪を敷いておくことも有効です。

薪は着火用の薪を多めに乗せ、中に着火剤を入れてライターで着火します。

火が出てすぐに風を送りがちですが、沢山の小枝の中で熱をこもらせるのが大切なので、始めは小枝を足しながらじっくり待ちます。乾燥している薪なら、放っておいても火は勝手に燃え上がってくれます。

焚き火のやりかた③:薪を足し、安定させる

熾火が出来上がり、焚き火が安定する

小さい薪で着火できたら、2番目に太い薪を投入します。薪は足さずにいると燃え尽きてしまうので、投入した薪が炭化し崩れてくる感じがあれば、早めに投入します。

次第に焚き火の中の温度が上がり、1番太い薪も投入、熾火(薪が真っ赤に燃えている)の状態が出来上がったら、焚き火は安定した状態になります。

ここまでくれば、焚き火の火力が落ちても薪を継ぎ足せば楽に火力が上がります。大きく燃え上がる炎から、真っ赤に灯る熾火まで、多様な焚き火の姿を心ゆくまで楽しんでください。

焚き火のコツ

焚き火のコツ①:雨の日の焚き火

雨が降ると焚き火が消化されてしまい、楽しめなくなることがあります。
雨の日でも焚き火を楽しむ場合、有効なのはタープの活用です。

タープの下であれば雨でも焚き火が出来ます。注意するのは火力とタープの延焼で、設置しているタープの高さにもよりますが、炎や火の粉でタープに穴が空き、最悪の場合燃えてしまうことがあるので、火力や火の粉には気をつけて楽しみます。

焚き火のコツ②:風向き

渓谷沿いでは風向きに注意してテントを設営する

焚き火で発生する煙は、風向きによってはテントに直接当たって居心地が悪くなります。野営地の風向きを考慮して焚き火をすると、焚き火が楽に、そして快適になります。

風向きに対して平行にテントを設営しておけば煙が当たりづらくなるので、テント設営時は事前に焚き火の位置を決めておくのが良いです。

また、風が当たりやすいと火の粉も飛びやすくなり、上述のタープやテントの延焼にもつながるので、風が強すぎる際は注意しておきます。

焚き火のコツ③:焚き火の形状

ロングファイヤー型は利用する場面が多い

今回ご紹介したのは「ロングファイヤー型」という、薪を平行に並べて行う焚き火で、派手な炎こそ上がりませんが、燃焼が長時間続き、特に調理に適した焚き火です。

この他にも、キャンプファイヤーで使われる「井桁型」、語らいや演出に向いた「ティピー型」など、薪を組む形状で用途や楽しみ方に応じた焚き火が楽しめます。

まとめ

焚き火は自然と一体になり、仲間との語らいや自分だけの時間を過ごしたり、原始的な生活を経験するなど、楽しみに満ちた体験です。

自然の火を扱うので注意は勿論必要ですが、その扱いを知り焚き火を1度体験すれば、キャンプの醍醐味と自然に身を置くことの楽しさを感じることが出来ます。

ぜひ焚き火に挑戦して、アウトドアを存分に満喫してくださいね。