キャンプ飯の新境地!スキレット一つで作るアウトドアパスタ

キャンプ飯の新境地!スキレット一つで作るアウトドアパスタ

老若男女問わず誰もが大好きなパスタ。家庭の食卓にオシャレなパスタ料理があると気分が高まりますが、それをアウトドアでやろうという人は果たしてどのくらいいるでしょう?おそらく「手間がかかる」「面倒くさい」という理由で、アウトドアというシーンでパスタに挑戦しようという人はあまり多くないはずです。

今回ご紹介するのはスキレット一つでできてしまう超本格的なパスタです。

このレシピの凄いところ

今回はパスタの中でももっともオーソドックスで基本的な「ペペロンチーノ」を作りますが、このレシピの基本を押さえればさまざまなパスタに応用できます。

ペペロンチーノは乳化が難しいといわれる中、このレシピ通りに作ると勝手に乳化現象が起こり、何もしていなくてもプロ並みのペペロンチーノが作れてしまうのが凄いところ。

おまけにパスタを茹でるための鍋すらも必要なく、本当にスキレット一つですべての工程が完了します。アウトドアだけでなく「今日は手抜きをしたい」という日の強力な助っ人メニューにもなってくれるでしょう。

作り方

それでは実際に作っていきます。

使う材料はパスタ(一人あたり80~100g程度、今回は一人分を作ります)とにんにく3片程度、唐辛子1本、オリーブオイル40ml程度、そして塩3gだけです。

にんにくは潰して適当にカットします。最初、弱火でにんにくの香りをじっくりとオイルに移す作業を行います。微塵切りやスライスなどあまり細かくしたり薄くし過ぎたりすると、にんにくが焦げやすくなってしまい十分な香りが出ません。そのためやや厚みを持たせてカットするのがコツです。

スキレットはあらかじめ加熱する必要はありません。冷たいスキレットにオリーブオイルを入れたら、カットしたにんにくをそのまま入れて火にかけてください。火はできるだけ弱火が理想的です。

香りを出す~唐辛子の使い方~

スキレットにオリーブオイルを注いでにんにくを入れたら、弱火で加熱していきます。オイルでにんにくを煮ているような、アヒージョ状態でじっくり香りを出しましょう。

カレー作りなどでも、最初はスパイスをオイルで煮て香りを出しますよね。この作業を「テンパリング」といいます。おいしいペペロンチーノを作るのに欠かせない工程です。

にんにくに焼き色がついてきたら、唐辛子を入れてください。唐辛子は入れ方(切り方)によって辛さが変わります。

辛いのが苦手だけど唐辛子の香りは欲しい──という場合は、唐辛子のヘタをとり、中の種を抜いてから丸ごとオイルに加えましょう。

少しだけ辛さが欲しい─という場合は、やはり唐辛子の種を抜いてから唐辛子を3~4等分にちぎって入れてください。

中辛くらいは欲しい──という場合は、種を抜いてから唐辛子を小口切りに。

辛くしたい場合は唐辛子を細かく切って入れるとともに、種も少し加えましょう。

激辛にしたい場合はヘタ以外丸ごと細かく刻んで入れる──といった具合です。つまり唐辛子は細かくすればするほど辛くなる、種を入れれば入れるほど辛くなるのです。

湯を沸かす

唐辛子は焦げやすいので、加熱し過ぎないよう気をつけてください。唐辛子の香りが立ってきたら、スキレットに直接水を注いで塩を加えます。もちろんパスタを茹でるためです。

「え⁉オイルやにんにくが入ったスキレットにそのまま水を入れちゃっていいの⁉」と思うかもしれませんが、大丈夫です。何も問題はありません。

ただし水を入れる量に気をつけてください。今回は太さ1.6mm、茹で時間8分のパスタを使用します。この場合、一人前を茹でるのに必要な水の量はおよそ600ml。なので600mlの水をスキレットに流し入れます。そのまま沸騰するまで待ちましょう。

二人前を作る場合は700ml、三人前は800mlといった具合に、一人前増えるごとに水を100mlずつ足してください。

麺を茹でる

お湯がわいたら麺を入れます。麺は折ってしまうと食感が落ちますので、折らずに入れてください。麺をお湯につけながらスキレットの底面に軽く押し付けるよう入れると、少しずつ入っていきます。

お湯に入れて麺が柔らかくなったら、麺同士がくっつかないよう、あるいは麺が鍋の底面などにくっつかないよう軽く混ぜてください。あまり激しく混ぜると麺の表面が傷ついてやはり食感が落ちてしまうので、いじり過ぎないよう気をつけましょう。

火は強火が理想的です。炭火などを使う場合は、もっとも火が強い場所を選んでください。指定茹で時間の8分をかけて水が蒸発していき、最後にはちょうどいいくらいの水分が残ります。

ちょうど7分程度が経過したころの写真がこちらです。

水分が減り、沸騰による対流でオリーブオイルと水分がうまく乳化しています。さらにパスタ麺から出た小麦粉が乳化を助け、まるでプロのイタリアンシェフが作るペペロンチーノのようにトロッとしたソースができあがりました。スキレット一つで作る究極のペペロンチーノの完成です。

乳化具合やソースの残り具合、あるいは麺の硬さなどはお好みで調整してください。茹で時間などは商品説明に従うのがいいでしょう。万一途中で水が足りなくなってしまった場合は、蒸発し切るくらいの量(一度につき30ml程度ずつ)を加えて様子を見ましょう。

自由自在にアレンジしよう

今回はもっともベーシックなペペロンチーノを作りましたが、このレシピをベースにさまざまなアレンジが可能です。

たとえば水と一緒に白ワインやアサリを加えればボンゴレビアンコに、にんにくと一緒にベーコンを炒めて香りを出し、最後におろしたハードチーズと卵黄を和えればカルボナーラに。工夫次第でいくらでもアレンジできるのがこのレシピの楽しいところです。

スキレット一つで作るアウトドアパスタまとめ

それでは最後に、スキレット一つで作るアウトドアパスタをおいしく作るためのポイントをおさらいしてみましょう。

テンパリング

にんにくと唐辛子をテンパリングして、しっかり香りを出します。にんにくはあまり細かくしたり薄くしたりすると焦げやすくするので、大胆にカットすること。つぶすだけでゴロッと丸ごと入れてもOK。また唐辛子も焦げやすいので、にんにくの香りが十分に出てから加えること。

たまにはスパイスやハーブを加えてみるのも一興。オススメはタイム、ローズマリーにレモンなど。鶏肉を加えればさっぱりとしながらボリューミーな仕上がりになります。

水の量

1.6mmのパスタ一人前につき600ml。それ以降、一人前が増えるごとに水100mlを加算してください。ボンゴレビアンコなど白ワインを使う場合は、水を100ml減らして白ワインを100ml加えます。

常に強火で

弱火で調理すると、水が十分に蒸発せずパスタを茹で過ぎることになります。十分な火力を保つようにしてください。

パスタを傷つけない

パスタを折るとフォークで食べにくくなりますし、食べ心地もよくありません。パスタを激しく混ぜた場合も同様で、表面が傷つくとボソボソと食感が落ちるので気をつけましょう。

これらに気をつけておいしいパスタ作りを極めましょう。

あなただけのオリジナルレシピを作ったら、ぜひ教えてくださいね。