静かな時間を楽しむ!アルコールストーブをレポート!

静かな時間を楽しむ!アルコールストーブをレポート!

キャンプでは欠かせない存在のアイテムといえば、ガスコンロや焚き火台といった火を扱うギアです。燃料によって様々な道具が展開されていますが、中でも静寂を好み、個性的なモデルが多く個性が引き出されるのが、アルコールストーブです。今回はアルコールストーブの特徴と魅力をレポートします。

アルコールストーブをレポート

アルコールストーブとは?

アルコールを燃料として使用する火器です。ガス、ガソリン、灯油といったその他の燃料を使用する火器と比較して「構造がシンプル」で「燃焼音が静か」であることが大きな特徴です。

アルコールストーブの歴史は古く、半世紀以上もの間アウトドアユーザーに愛され続け、今もソロキャンプ、ウルトラライト思考などの流れから、個性的なアルコールストーブが国内外で展開されています。

アルコールストーブの特徴

特徴①:シンプルな構造

代表的な火器である直結型のガスバーナーは、燃料を充填するガス缶と五徳となるバーナーヘッドの2つで構成されていますが、アルコールストーブは、複雑な部品が無く、燃料を入れて着火させる本体のみで構成されています。

このシンプルな構造で得られる恩恵は「故障することがほとんど無い」というところです。他のバーナーだと、目詰まりやイグナイターの不調で着火しないなどのアクシデントが大小起こりますが、アルコールバーナーはその心配がありません。

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特徴②:非常に静音

勢い良く燃料を吹き出し、力強い燃焼音が特徴的なガスやガソリンバーナーと比較し、燃焼中の音が耳を澄まさないと「聞こえない」ほど静かな燃焼音がアルコールストーブの大きな特徴です。

アルコールストーブを使用して聞こえる音は、着火した際の「ボッ」という音くらいで、その後は沢の流れ、動物の鳴き声、木々が揺れる音など、フィールドで感じる心地良い音を遮ることがありません。

自然に溶け込む時間を提供してくれるだけでなく、距離が短い区画サイトのあるキャンプ場、利用客が多い繁忙期などでは音の配慮も必要な場合に、アルコールストーブはストレスを感じること無く使用することも可能です。

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特徴③:豊富なオプション

アルコールストーブは燃料を燃焼させる本体のみの構成で、五徳や風防は別途用意する必要がありますが、ユーザーのスタイルに合わせた豊富なオプションが各ブランドで展開されています。

アルコールストーブ本体に取り付ける簡易的な五徳や、風防と五徳を兼ねたもの、焚き火台としても使えるモデル、折りたたみができるコンパクトなものまで、非常に多種多様です。

私は焚き火台を五徳兼風防として使っており、常にアルコールストーブと焚き火台をセットで持っています。キャンプ場外のフィールドで野営することもあり、雨やその他の要因で薪が入手できなかったり、薪を入手するのが面倒に思ってしまう時にはとても便利です。

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特徴④:自作できる

アルコールストーブが根強い人気を誇る理由の1つに「自分好みのアルコールストーブを自作出来る」という点があります。アウトドアギアを自分の手で作ることが出来るのは、想像するだけでワクワクします。

金属板を加工して本格的なものを作る方もいますが、手軽に作るには、アルミ缶を利用して自作するアルコールストーブがオススメです。

作り方や材料は一緒なのに、その時々で仕上がりや性能が変わってくるのが自作ストーブの楽しさで、作り続けるほど精度も上がり、アウトドアスキルが上がる実感、より自分の力だけで自然を楽しむことで高い充実感を得ることができます。

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特徴⑤:低温下でも使用可能

アウトドアの火器で懸念される低温下での使用ですが、真冬の雪が降る日でも問題なく着火、火力も安定して使用できます。アルコールストーブは、本体が十分に熱せられると本来の火力を発揮でき、低温下ではこのプレヒートに時間を要することはあるものの、登山などの過酷な環境でなければ、私は気にしたことはありません。

オールシーズン使うことが出来る頼もしさもロングセラーである理由の1つです。

アルコールストーブの注意点

注意点①:風対策

アルコールストーブ本体には、カセットガスコンロをはじめとするその他の火器にある風防が備わっていません。そのため、風が強い日は本来の火力が発揮されず、燃料を多く消費してしまいます。

対策として、上記ご紹介したように風防を用意しておくことが良いです。個人的にオススメなのは、しっかり四方を囲んでくれる風防で、風は色々な方向から吹いてくるので、なるべく風を防ぐ面が多いモデルが良いです。

荷物を極力減らしたい場合は、石や太い薪などの自然物を利用することも有効です。風防分の荷物を減らすことが出来、道具のメンテナンスも不要といったメリットもあります。

注意点②:火力調整

シンプルな構造のアルコールストーブ。その他の火器では標準装備で備わっている火力調整機能がなく、苦手としています。

モデルによっては調整が可能なものもありますが、あくまで「可能」であるという程度で、ガスバーナーで出来る「とろ火」や瞬時に火力が調整出来ないので、こうした特徴を考慮して使用すると良いです。

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注意点③:火力

他の火器と比較して火力は低く、総じて調理には時間を要します。ガスバーナーでも最大出力で使うのは大人数での調理くらいなので、アルコールストーブとえの差を感じないことはありますが、ガスバーナーでは多少の風はビクともしませんが、アルコールストーブは風に弱いので、結果として調理に時間がかかります。

オプションを充実させればガスバーナーに匹敵する性能を発揮できますが、「軽量」「コンパクト」が特徴のアルコールストーブのメリットを失うことになるので、時間に追われず、のんびりとした時間を過ごすことを前提として使用すると、こうした火力の課題も気になることはありません。

アルコールストーブで出来る調理

調理①:湯沸かし

基本的な調理である湯沸かしですが、問題なく沸騰させることが出来ます。細かな火力調整も必要としないのでアルコールストーブユーザーの基本であり、好まれる調理です。

あまり調理をせず、アルコールストーブではお湯を沸かしてフリーズドライ製品で食事を摂る、という人が多いのは、アルコールストーブの特徴を捉えた、最も効率的な使い方であるからですね。

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調理②:煮炊き

ここ数年で非常に人気が高まっている「自動炊飯」。燃料の消費量を計算すれば、あとは放っておくだけで美味しいご飯が炊けます。

何もせずに料理が完成しているのはとても便利で、移動疲れやテント設営、キャンプ場に到着が遅れたときなど、調理が面倒なときでも手軽に作れるのが嬉しいですね。

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調理③:焼きもの・炒めもの


2人程度の量であれば、問題なく炒めもの、焼きものもこなせます。野菜炒めといった素材の水分量が多くボリュームもあるものになると、火力が足らず素材の水分が出てしまうので、その場合は少量で数回に分けて調理すると良いです。

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アルコールストーブで楽しいキャンプを!

アルコールストーブは静かな時間を好む人に最適な火器です。他の火器と比べて性能面で劣るところはありますが、堅牢でシンプルな作りであるため、長く使い続けるほど愛着が湧いてくる、一生手放せないアイテムです。
自作と豊富なオプションで個性も出せる、自分らしさを表現出来るのもアルコールストーブの魅力ですね。

ソロキャンプからグループキャンプでサブの火器としても。キャンプで欠かせない相棒として、アルコールストーブを是非使ってみてくださいね。

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